発達性トラウマ障害とSE™(ソマティックエクスペリエンシング®)トラウマセラピー

ソマティックエクスペリエンシング

「より良い人生を送る」「よりよい自分を生きる」ためにトラウマセラピーを受けたい、SE™を受けてみたいとお申込みくださる方が増えてきている実感があります。
 ご興味を持ってくださってありがとうございます。
 Renewで行っている心理療法SE™ソマティックエクスペリエンシングって何?。発達性トラウマ障害って何?というところをあらためて、まとめ、書いてみようかと思います。

発達性トラウマ障害とは

 発達性トラウマ障害(Developmental Trauma Disorder)は、子ども時代の持続的かつ複数のトラウマ経験によって引き起こされる心的外傷です。
 家庭内暴力、虐待、長期間のネグレクト(育児放棄)、または親の精神疾患など、安定した養育環境の欠如、子ども時代の交通事故や大きなケガ・病気療養(治療)等の身体心理的な経験が、心的外傷として残存することにより生じます。
 これらの経験は、子供の脳、身体、感情の発達に深刻な影響を及ぼし、成人期にも様々な心身の問題や恒常性の破綻※を引き起こす可能性があります。

恒常性(ホメオスタシス)とは、生体の内部や外部の環境因子の変化に関わらず生理機能が一定に保たれる性質のことであり、生物にとって極めて重要なものです。例えば、動物の生理機能の恒常性は、神経系、内分泌系、消化器系など、様々な器官系の機能連関によって維持されています。

恒常性機能の異常・破綻⇒疾病や障害の発生,例えば、糖尿病、過敏性腸症候群、リズム障害、器官の発生分化異常など

埼玉大学総合研究機構 バイオホメオスタシス研究センターhttps://www.saitama-u.ac.jp/iron/modules/vssections/uploads/BHRC.pdf より

ソマティック・エクスペリエンシング(SE™)とは

 ソマティック・エクスペリエンシング(Somatic Experiencing®)は、心理学者ピーター・リヴァインが開発した身体感覚に基づいた治療アプローチです。トラウマ後のストレス反応を緩和し、自己調節能力を高めることを目的にしています。
 SE™は、身体の感覚に焦点を当て、緊張からの症状や固定された感情を解放し、心的外傷の影響を軽減することを目指します。
SE™ウェブサイトhttps://www.sejapan.website/se-%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%A8%E3%81%AF/

発達性トラウマにおけるSE™の応用

 発達性トラウマ障害を抱える方は、しばしば感情調節の困難、関係性(人間関係)の問題、体の痛みや慢性の疲労感、とっさの脅威の感覚などに苦しんでいます。SE™は、その身体感覚に対する意識を通じて、情動の調整や脅威の感覚の軽減などにアプローチする方法です。

期待できること
  • 身体の緊張緩和: トラウマを経験した後にも残る身体的な緊張や過剰な興奮・感情の活性化の状態を解消するのに役立ちます。
  • 情動の安定: 感情調節の過度の反応や抑制された感情的状態の緩和。
  • 自己調節: 症状や心身の反応に対するセルフケアと自己調節のスキルを高め、慢性的なストレスやPTSDの緩和に寄与します。
  • 自己認識・認知の変化:恒常性が増し、自分の身体感覚が調整・トラウマを解放が起こると、自身の過去や周囲に対するの「認識・捉え方」も自然と変わってきます。
  • ストレス耐性・ストレスからの回復力が増す:ストレスというのは人生の中で避けて通れないこともあります。自身のストレスがかかったとしても、回復する力が備わってきます。ストレスへの許容量を自覚できるようになり、少しづつ耐性も増し、できることが増えていきます。

Renewでは

発達性トラウマを抱える方の苦しみ・お悩み・症状は多様であり、セラピーの目的もクライアントさんそれぞれで異なります。ご自身のためにセラピーを受けて何を得られたらよいのか、葛藤・混乱を整理しながらも、ニーズを一緒に探求し、SE™をすすめて行きます。

おすすめ書籍 

  • マンガ版 トラウマや不安、痛みって本当に不思議──でも私は大丈夫、と言える本 
    いそっぷ社 
  • その生きづらさ、発達性トラウマ?: ポリヴェーガル理論で考える解放のヒント 
    春秋社
  • トラウマ治療編〜 生きていくのは大変だ〜三森みさのプチエッセイ集〜その3トラウマ治療編 Amazon kindle