HSP(highly-sensitive-person)繊細な気質の持ち主は、
痛みを感じやすかったり、勘が鋭かったり、意識しなくとも人の感情の動きを
繊細にサーチできるといった様々な特徴があります。
最近では以前に比べて、HSPの理解を深めるための書籍が増え、HSPの方にとっても自己理解を深めるための資源も増えたことで、安心につながり、他者にも理解してもらいやすくなっていると思います。
その分、「自分はHSPかもしれない」といったご相談も多くいただいているのだと認識しています。
しかし、津田沼心理カウンセリングRenewでは「あなたはHSPですね。」というようなHSPの診断はしていません。
HSPもNonHSP(HSPではない方)も二極化しているわけではなく、その程度にも、性質にも個々によって違います。
その時に抱えた悩みや生きづらさや理由のつかない体の症状はHSPでもNon-HSPでも抱えることはあり、
それらをどう調整し、解消し、そして、より最適な状態で暮らすのか、自分の性質・特性とどう付き合っていくのかが大切だと思っています。
とはいえ、
HSPの方は、繊細が故に、過度に防衛的に反応をしてしまいやすいです。
しかし、HSPではなくとも、小児期の逆境体験や圧倒されるようなトラウマ的出来事に遭遇することが繰り返し起こると、過度に神経を敏感にさせて身体が反応するというパターンが根付くことがあります。
トラウマによる神経系の活性化や興奮の影響です。
何かトラウマ的な出来事を経験し、身体に記憶されることを重ねることによって普段から外的の環境や他者、社会に対しても防衛的になりますね。
そして外的な危険を敏感にサーチするといった神経の状態が繰り返し学習されるようになると、HSPでなくとも、敏感さが身に付きます。
それが常に自分の暮らしにおいて当たり前になることもあるのです。
人には自分の許容できるだけの刺激の範囲というのがあります。
何らかの刺激を受けても、過度に興奮せずに、のちに自然にいつもの落ち着きに戻れるような最適な状態です。
自分にとって「許容できるだけの最適な状態」を超えた、刺激を受けると、
過度に覚醒・興奮するなどの反応したり、のちにぐったりと無気力になったり、感覚が麻痺したり慢性的な疲労感となり、「生きづらさ」を感じるようになります。
無意識にでも自分の許容範囲以上に自分自身がストレスを抱えているといった証は、上記以外でも様々な症状や行動に現れます。
そしてHSPでなくとも、トラウマを重ねることでこれらの苦痛症状を抱える場合はあるのです。
始めに書いたように自分がHSPかもしれない、という自分に対する理解や認識を向けることは、安心感に繋がりますし、自分が心地よく過ごしていくための一つの資源でもあります。
しかし、HSPということそのものが問題ではないのです。
大事なのは
自分の許容範囲(最適な状態)がどのような心身の状態なのかがわかること
刺激を受けてもその最適な状態に戻れる回復力をつけること
最適な状態の範囲を拡大していき、心地よく暮らせる時間を増やせること
それらを一緒に探求し、調整し、変わる。
そのお手伝いをしています。
津田沼心理カウンセリングRenew澤田忍