トラウマ

「トラウマ」というのは、感情や理性的思考では対応しきれないほどの圧倒的な痛み・苦しみを伴う経験に対して、起こる心身の防衛的な反応を表します。

それが、時が立っても消えることのない「痕跡」として心身に記憶され、思考や行動、感覚・感情の反応として残ります。

トラウマとは出来事そのものではなく、その出来事に対する心身の反応であり、出来事の経験後には、その痛みや苦しみに対処・適応するため、無意識に身に着けた戦略に繋がっています。
その出来事自体を自分自身が「危険な出来事」として認識しているかどうかは関係ありません。実際の危険度よりも、心身の反応の度合いが関係します。

 

「トラウマ症状は、その『引き金となる』事件そのものが引き起こすのではありません。それは未解決で未放出の凍り付いた残余エネルギーから生じるのです。
この残余エネルギーは神経系統の中に閉じ込められており、私たちの心身を破壊することがあります」

ピーター・リヴァイン 心と身体をつなぐトラウマセラピーより

トラウマがなぜ問題になるかというと、そのようなトラウマに繋がる経験による痛み・苦しみが、心身に無意識に記憶され残存することで、後々に心身の不調やご自身の生き方・行動に影響することがしばしばあるからです。

トラウマを受けた人は心理な防御・境界線が壊され、健全な安心感・安全感を持つことが困難になります。結果、自分を過剰に防衛したり、他者に対して過剰に反応したりします。

物事をコントロールする「力」を失い、無力感に脅かされたり、他者に迎合しやすくなる方もいらっしゃいます。

多くは人との信頼関係に影響します。親近感が阻害され、孤立感に苛まれることもあります。
現実感や真実味も感じられなくなるということも起こります。

時間や場所の感覚も薄れ、意識が身体から離れるように感じることもあります。

心を落ち着けたり、リラックスが難しくなります。

自分が自分でいることが難しく感じ、ありのままで生きること「生きづらさ」にもつながります。

これだけではなく、トラウマに関連する症状を書きだすと、きりがありません。
(下記参照)

心身症と呼ばれるものの多くの要因にトラウマが関わっていることがあります。

トラウマを受け、その痛みや苦しみがあまりに大きいと、その後の人生において、その痛みに触れないように、私たちの心身は様々な防衛戦略で自分自身を守って生きていきます。
それは、依存や摂食の障害として現れることもあれば、別の人格を形成することもあります。

トラウマ要因・またそれに繋がる出来事の経験は多岐にわたります。(下記参照)

なお、同じような出来事を経験していても、症状・反応の現れ方や問題は個人差があります。

それには、トラウマを受けた年齢や衝撃度、経済的不安、既往の精神身体疾患、もともとのストレスの蓄積度、他にもトラウマを抱えているかどうか、トラウマ経験の際の回復へのサポート資源、帰属感のある安全な居場所の有無が大きく関わります。
元々持ち合わせる心身の反応性(自律神経系・迷走神経の働きのパターン)が大きく関わっており、津田沼心理カウンセリングRenewでは癒しのためにそれらにアプローチするような方法もとっています。

 

トラウマとなりうる出来事

  • 自然災害(洪水・火災・地震・台風・土砂崩れなど)
  • 戦争
  • 交通事故
  • 医療処置・歯科治療・手術・麻酔
  • 転倒・落下・重大な怪我や病気
  • 避けられない攻撃
  • 性暴力被害
  • ハラスメント被害
  • 虐待
  • 暴力を受けている現場の目撃
  • 家庭内暴力
  • 拉致される
  • 人種差別的攻撃
  • 身近な人の予期せぬ死
  • いじめ
  • 裏切り
  • 他者からの拒否・拒絶・無視される・侮辱される
  • 恥をかかされる
  • 信頼している人からの支配
  • 大事なことに失敗する(受験・就職など)
  •     

  • 社会的プレッシャーの蓄積
  • 喪失
  • 怒鳴られる
  • 親やパートナーから無秩序で矛盾の多い対応を受ける
  • ネグレクト
  • 親や主たる養育者から感情的なネグレクト(共感欠如)
  • 親や主たる養育者から過剰な期待やコントロールを受ける
  • 機能不全(貧困含む)の家族に育つ
  • 0~3歳の発達過程における何らかのトラウマ

など

トラウマを受けたのちの影響と症状

トラウマを受けたのちの影響と症状こちらに書かれていることはトラウマと関連した症状です。

ご相談例